葦嶽山（広島）
庄原にある葦嶽山（日本ピラミッド）。学生時代から気にはなっていましたが，今回とある筋から，問い合わせがあったのを機に，何事も実物を見ずに推測で語るのは良くない，という気がしたので行ってきました。
■巡検スケジュール■ 4/5 広島大学（10:00)→蘇羅比古神社（12:00）→灰原ルート登山口（12:25）→鷹岩（12:50）→葦嶽山（12:54）→鬼叫山巨石群（13:24）
蘇羅比古神社
蘇羅比古神社の由来は約２千年前に鍬寄山の大きな岩を拝むことから始まったとされ，空を見上げる狛犬があることで有名。
空を見上げる狛犬を楽しみにしていたが，下の段にあるのは地衣類の繁茂した普通の狛犬であった。
その上の段にある狛犬は，かなり変わった形をしていたが，
一番上の段にある狛犬は丸い球を手に，完全に空を見上げている。
狛犬は，魔除けや神前守護のために置かれているはずなのに，これで良いのだろうか？
葦嶽山
野谷コースはかなり高低差がありそうだったので，今回はお気楽に灰原ルートからの登山。
コースを紹介する看板などが整備されている。
登山道の階段などもきれいに整備されている。
鷹が翼を広げているように見えるという鷹岩に到着。
上部と下部で２種類の別の岩からできているという説もありましたが，どうやら上部がペグマタイト様になっていて，結晶のサイズが少し大きくなっているのが原因のようです。
鷹岩からほんの数分で葦嶽山の頂上に到着。
360度の展望を楽しみながら，お昼を食べコーヒーを楽しむ。
花崗岩の風化したマサ土が広がっているので，学校のグラウンドにいるような感じです。
北側斜面の頂上直下は，花崗岩の風化が進んでかなりの急傾斜になっている。
頂上から５分も降ると，野谷コースとの合流地点の鞍部に東屋が建っていて
そこの剥がれた案内板によると，鬼叫山（ききょうざん）の方に巨石群があるらしい。
鬼叫山
ドルメン供物台と呼ばれる石。
方位石と呼ばれる十字に割れ目の入った花崗岩。
鏡岩と呼ばれる真っ平らな花崗岩の板状節理。
神武岩と呼ばれる花崗岩の柱状節理。
鬼叫山で見られる花崗岩には，おおよそN55EとN35Wの節理面がほぼ直交して入っているので、四角錐の形をした葦嶽山も同様の方向に発達する花崗岩の節理の影響によるものと考えられます。
山中の看板には十字の方位石は夏至の方向を示している，という説明がありましたが，春分はともかく夏至の日を知るメリットは農耕的にもあまり意味が無いと考えられるのと，エジプトのピラミッドは，1度の15分の1という精度で東西南北にぴったり向いているそうなので，葦嶽山はやはり自然の地形なんだな，と実感した次第です。