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20170926

横浪半島

 ひばり食堂

午前9時前に広島大学を出発し,鴻ノ池SAでは試食を我慢して,12時にひばり食堂に到着。大盛況。

地学研究室の必須単位となった「カツ丼大盛」(写真中央)を食す。既単位取得者の先輩はいのしし焼肉丼(写真左)とカツ丼並盛(写真右)を。

カツ丼並盛(左)とカツ丼大盛(右)の比較。そもそも並盛りでカツ2枚。それを遥かに凌ぐ大盛り。

大盛りを食べきるためには、初めの10分が重要である。ご飯は美味しくいただき、笑顔でお店を出た。

 横浪半島

五色の浜

五色の浜は高知県土佐市の横浪半島の突端近く、太平洋に面した小さなきれいな浜である。「五色の浜」の名前の通り、5色の砂礫の浜が広がる。五色の浜の横浪メランジュは国の天然記念物に指定されている。五色の浜ではプレートテクトニクスを証明するきっかけとなった付加体堆積物を観察できる。

下画像に示すのが、五色の浜で観察されたメランジュの一部である。メランジュとは大きさや種類の異なる岩石が無秩序に混在している地質帯を意味する。画像中央は泥に取り込まれた砂石であり、砂岩周辺を観察すれば圧力のかかった方向などがわかる。

ここから北進するとしばらくは頁岩など陸源性の堆積物がみられる。ここを進み遠洋性の堆積物であるチャートの壁を目指す。

下の写真は五色の浜最大の難所であり、潮位が高い場合はここを進めない。迂回して絶壁を登って超えることはほぼ不可能である。幸い今日は事前に潮位を確認しており、このときは干潮の時間であり、潮位は100cm程であったため、なんとか進むことができた。

難所を越えしばらく進むと、赤みがかった珪質泥岩がみられる。かなり遠洋よりの堆積物であるが、チャートに比べると透明度が低く,泥成分を多く含んでいるようだ。

赤みがかった珪質泥岩の一部に付加の際、変形したのであろう褶曲がみられた。褶曲が3度繰り返したような構造であり、デュープレックス構造のようであった。

最後にようやくチャートの壁にたどり着いた。今までみてきたようなくすんだ岩石ではなく、チャート特有の透明感が観察できた。

数千年に数mm程度というスケールでの堆積であることを考えると、迫力が増したように感じた。

チャート「ハハハッ!人がゴミのようだ」

チャートの壁へたどり着くまでに海洋プレート層序を観察できたことになる。浜の入り口に戻るまでに、砂岩に泥岩が挟まったような構造が見られた。これはマッドインジェクションという泥の注入によって生じたものである。

泥の注入は堆積物が未固結時に起こるものと固結後に起こるものの二種類にわけられる。前者は付加作用によって生じることが多く、後者は地震など断層破砕帯で生じることが多い。

この後、北進し須崎層とメランジュの境界を調査したが、転石が多く露頭を観察するのが困難であり、見つけることはできなかった。

帰り際、「波打ち際チキンレース」を行い、見事言い出しっぺが負け、勝者にはジュースが送られた。

※波打ち際チキンレース…引き波を狙い、いかに海側に岩石を置けるかを競う競技である。濡れてもいいが、濡れたくない。高度な心理戦。