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20130918

戸河内周辺の広島花崗岩類

 温井ダム〜滝山峡花崗岩

広島方面から加計のスマートインターチェンジで降りて、国道191号線を北上し、黒四ダムにつぐ日本第二位の高さをもつアーチ式ダムである温井ダムへ。

温井ダム資料館では、ダムの歴史や周辺の地質の状況など調べることができる。時間があればダムを下流側から見学できる地下トンネルを通って、ダムの堤体を支えている花崗岩を見学するとよいでしょう。

温井ダムを満喫した後は、再び国道191号線を北上し、滝山峡に入り滝山洞門の南側に道路が山側に少し広くなった場所がある。そこの山側に露出しているのは滝山峡花崗岩(林ほか、1995)と呼ばれる花崗岩である。これは、一般にチタン鉄鉱を含み、磁鉄鉱を含まない花崗岩が分布する山陽帯にも関わらず、磁鉄鉱を含むため磁性がある。同じく山陽帯に属し、磁性を持つ万成花崗岩との組成的な類似が指摘されている。

その原因としては、どうやら広島花崗岩が貫入する一足先に匹見層群に対して貫入した花崗岩で、その後の広島花崗岩の貫入作用によって接触変成作用を被っていると考えられるらしい。

王泊ダム周辺で、匹見層群の流紋岩を見学した後、戸河内ICで一旦休憩。ここで鳥の串焼き(400円)と昭ちゃんコロッケを食べるのが巡検の定番です。

 打梨(太田川の上流)〜立岩ダム周辺

その後、国道191号線を北上して、安芸太田町役場を越えたあたりで、県道296号線へ左折して打梨へ向かう。

打梨周辺に分布する花崗岩には、ダークインクルージョンと呼ばれる暗色包有物が多量に含まれている。包有物と周囲の花崗岩との境界があいまいな場所もあるため、冷えきっていない花崗岩に対して、玄武岩質の岩脈が貫入したのがこの暗色包有物の原因ではないかと考えられている。

打梨ダムの堰堤の近くに、押ヶ峠断層(広島県の天然記念物)の説明板が設置されいた。

一番奥の山の稜線が真ん中あたりで凹んでいるのが、押ヶ峠断層のケルンコルで、その右側の山がケルンバット。

最後は、吉和ICから戻る。