トップ 差分 一覧 ソース 検索 ヘルプ ログイン

2018.02.08

龍河洞・吉備高原面巡検

本巡検は中国地方にある3つの階段状の台地の一つである吉備高原面の観察と、4年生の卒業研究のため、高知県龍河洞で実際の鍾乳石の滴下間隔を目で見て確認するために長い移動時間を経て見学に行った。

 吉備高原面

先述の通り中国地方は堆積・隆起・侵食を繰り返すことで3つの階段状の台地を有している。その隆起準平原の面は高位面から脊梁面、吉備高原面、瀬戸内面と呼ばれ、少し高い山から見れば山頂がきれいに一致した様子を目にすることができる。吉備高原面が見られる地域は準平原や浸食小起伏面の形成過程を考察する上で日本における代表的なモデル地域として知られている。吉備高原面はその中位面に相当し、約500〜650mの間に山頂が揃っている。移動の車内では和歌山巡検での反省を活かすため、事前学習の成果を調査する吉備高原面クイズが開催された。

道中では川が凍っているところや巨大なつららが観察できた。デカすぎいぃぃ

標高が高いこともあり雪もたくさん残っていた。雪にテンションが上がる。

弥高山山頂からの景色。周りの山々の山頂が見事に揃っていることが確認できる。

山頂では360°カメラTEATAを使い写真撮影を行ったが、残念ながらここにその写真をのせることはできなかった。

高知への移動中、昼食のため地学研究室公式食堂であるひばり食堂へと向かった。注文は当然カツ丼の大盛りである。既単位取得者と女性はかつ丼の並を注文。

大男通称Chammanはこれまで数々のメンバーを苦しめてきたこのカツ丼を13分足らずでたいらげてしまった。

初陣だった地研のホープは無念のリタイア。もちろん最後は残すことなくすべておいしくいただきました。今後もお世話になることでしょう。

 龍河洞

いよいよ本命、龍河洞へ向かう。龍河洞は日本三大鍾乳洞の一つに数えられ、山口県秋芳洞、岩手県竜泉洞と合わせて日本を代表する鍾乳洞である。高知県香美市にある龍河洞の周辺は約1億7000〜8000万年前の中生代の海洋性堆積物の付加体で構成されている。龍河洞には秋芳洞のような巨大な空間は見られず細い洞窟が約1km続いている。入り口は洞窟の下方にあり、だんだんと洞窟を登りながら様々な鍾乳石を見てまわることができる。

洞窟内を進むといたるところからし今もしずくが垂れており、現在も成長していることが分かる。

高さ約11mのつらら石、もっとも有名な種類の鍾乳石であろう。この大きさで少なくとも15万年以上をかけて形成されているようである。途中クラゲのようにもこもことしているが一度すぼんだ後再び横に広がる理由はわかっていないようである。

石筍は先端がへこんでいるものが多く確認された。これまで石筍はほとんどがタケノコ状に成長していると思っていたが、新しい発見であった。

奥が透けそうなくらいうすいカーテン。これは天井が斜めになっている場所に形成される

小さなリムストーン。水面に析出した浮遊カルサイトがだんだんと縁に溜まっていき階段状になっていく。これが大規模になると秋芳洞にある千枚岩のようになる。

神の壺。約2000年前、弥生人が鍾乳洞内で生活していた際の壺が鍾乳石と一体化している状態で発見された。鍾乳洞内は1年を通して気温・湿度が安定しており生活しやすい環境にあったと推測されている。

その神の壺を見習って始めたのが液滴が落ちてくる場所に壺を置くと神の壺のように鍾乳石と一体化するのかという実験。この実験、当時の大学生が何の許可もなく勝手に置いたものらしいが面白そうだからずっと続けているのだそう。現在開始から81年が経過している。

この場所には約20秒に1滴の間隔で液滴が落下してきていた。