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20191102-03

宇部層群(山口)

毎年11月恒例?の大学院巡検。今年は地研M1の研究テーマに沿って,各地の古第三系を中心に巡ります。

 石炭記念館(ときわ公園)

石炭産業によって飛躍的な発展を遂げた宇部のようすを後世に伝えようと,宇部炭田発祥の地に建つ石炭記念館.今年でちょうど開館50周年.

湖畔で鳩と戯れる幼稚園児たちを眺めながら,腹ごしらえを済ませる.

 宇部市際波の露頭(宇部夾炭層)

「日曜の地学12 山口の地質をめぐって」でも紹介されているこの露頭.宇部層群宇部夾炭層の中〜上部にあたる.

今回は,地権者の方の了承をいただき,近くで観察させてもらえることに.

想像以上の大露頭にテンションが上がる.

早速,露頭記載に取り掛かる.

最大で高さ8mの露頭には,大きく3枚の石炭層が確認できる.

地質構造は,全体として南西方向に傾斜する.露頭の一部で,走向傾斜N30W10Sを得た.

拡大写真は最も下位の石炭層.この石炭層は露頭東側において上位の灰白色砂岩層に削り込みを受けている.

露頭の西端に移動すると,最上位の石炭層が間近で確認できた.石炭層の上位には,薄橙色の火山灰とみられる層が見いだされた.

立ち入りの許可をいただきました地権者の方,仲介いただきました朝日土地建物の担当者様に感謝申し上げます。

本日のお宿

宿泊したのは宇部新川駅近くの「ビジネスホテル山田屋別館」さん.

無料サービスが魅力的であるが,部屋でのドライヤーの使用には要注意.

 本山岬(厚東川礫岩層)

宇部の観光案内には「くぐり岩」として紹介され有名な場所.あいにくの天気で全然映えない.

ここでは宇部層群下部の厚東川礫岩層が観察できる.やや潮が満ちているのを気にしながら,露頭記載を行う.

最大で高さ10m程度の大きな露頭.

全体として,上方に向かって礫の割合が減少するユニットを繰り返す.

地表から約2mの高さのところには,セットの高さ約1mの斜交層理が発達し,北から南(写真左から右)への古流向を示す.

最下部では,最大で長径2mに及ぶレンズ状の細粒砂岩を確認.

 秋吉台・秋芳洞

山口県に来たからには最後はシメは秋吉台.

秋芳洞は消費税増税で入洞料が1300円に.

記念撮影にいそしむ.

何度みても迫力満点の黄金柱.

カルスト台地をバックに.