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20120519

石鎚山〜面河渓〜岩屋寺〜砥部衝上断層

四国の北部には,西南日本の内帯と外帯をわける中央構造線が東西に走っており,この中央構造線を境に,北側は領家変成帯と和泉層群,南側は三波川変成帯と明確に区別される。ところが,新第三紀の久万層群と呼ばれる地層群は,この中央構造線をまたいで分布しており,久万層群の岩相の変化および分布は,中央構造線の活動を知るために重要な役割を果たしていると考えられる。

今回は,石鎚山および向かい側に位置する瓶ヶ森山の対極的な山容と,久万層群の岩相,砥部衝上断層に見られる中央構造線の観察をメインに行う。

 石鎚山

6時過ぎに車3台に分乗して大学を出発。途中いろいろとあって,西瀬戸自動車道の瀬戸田PAにいったん集合したのが8時20分。ここから小松から西条を経由して,国道194号線に入り,無料で通ることのできるトンネルとしては,日本一の長さを誇る(らしい)新寒風山トンネル(5,432m)を越えて,高知県側から瓶ヶ森林道の始点をめざす。

瓶ヶ森林道の入り口にあたる寒風茶屋に到着したのがおよそ10時20分。

ここでお昼ご飯になりそうな食材をいろいろとゲットする。食べ物に混ざって「小鳥の声CD」なんかも販売されている模様。

瓶ヶ森林道の途中,東黒森山ちかくの絶景ポイントにて自念子ノ頭の尾根沿いを走る瓶ヶ森林道を写撮で10時50分。

東黒森山への登山道をちょこっと上って,子持権現山の背後に見える石鎚山を望む。

瓶ヶ森林道の終点,石鎚山の登山口にある石鎚神社に到着したのが11時45分。とりあえずお弁当類を持って登山道へ向かう。

石鎚山へ向けて,尾根沿いをひたすら移動するが,振り返ってみると意外に危険な所を歩いていた。

石鎚山はまだまだ遠くに見ているが,時間が迫ってきたのでとりあえずなんでもない場所で昼食をとる(12:40)。

西条側からの石鎚山登山ロープウェイ側からの登山道と合流して,ようやく石鎚山の北壁が見えるようになった(14:00)。

今回は気合いを入れて,かなりスリリングな鎖場から頂上を目指す。

全ての鎖を登り切ると,いきなり弥山(1972m)の頂上にある石鎚神社の裏側へ到達し,左手には天狗岳(1982m)が見えてくる(14:30)。

弥山をあとに天狗岳を目指すが,尾根沿いのルートはかなり細い。

岩の割れ目から,はるか眼下に登山道が見えている(かなり怖い)。

天狗岳頂上に到達。こんな場所に長居していてはいけない気がする(15:00)。

天狗岳頂上のモニュメントと右側に南尖峰(1982m)を望む。

帰り道の方がなぜか怖い。

 瓶ヶ森山

急峻な石鎚山に比べると,瓶ヶ森山の中腹に広がる氷見二千石原は,三波川の結晶片岩の礫を主体とする礫岩で構成されている。

そのためか,地形的にも非常になだらかで笹藪が広がっている。

 面河渓

石鎚山のふもとにある風光明媚な面河渓(おもごけい)。紅葉の時期にはもっと綺麗なんです。

酸性の火山岩からなる優白色のなだらかな岩肌が心を和ます。

 岩屋寺

次に向かったのは久万層群の礫岩層が露出しているという岩屋寺。四国八十八カ所霊場の45番札所ということもあって,狭くて急な場所にある駐車場もほぼ満杯状態でした。

かな〜り高いハシゴを登り切った所に展望台のような場所があり,ここで礫岩を直接観察することができる。

 砥部衝上断層

国道33号線を砥部まで降りてきて,最後に砥部衝上断層の見学。

砥部衝上断層は,北に向かって流れる砥部川を直角に横切る衝上断層で,中央構造線の活動した時期について貴重な情報を提供するものだそうな。

断層によって久万層群(4,000万年前)の上位に中生代の砂岩・頁岩層(6,000万年前)がのしあげており,この断層を1,200万年前の火山岩が覆って分布している。