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20201205

現職の先生方との合同研修

新型コロナの影響で,3月末に福山で企画していた合同研修は幻に...

感染防止対策を万全に行いつつ,2回目の広島県高等学校教育研究会・理科部会との合同研修が実現。

講師には,広島県自主防災アドバイザーの越智秀二先生と,被災後の梅林学区のまちづくりを先導しているという復興交流館モンドラゴン 事務局長の松井憲先生をお招きした。

 安佐南区八木の土砂災害被災地

まずは,平成26年8月20日未明に発生した土砂災害の被災地である安佐南区八木4丁目で,驚異のスピードで建設が進む砂防堰堤の見学。

この砂防ダムは,奥に見える透過型堰堤と手前の不透過型堰堤の2段構え。「透過型」で破壊力の大きい巨礫や樹木を捉え,「不透過型」で大量の土砂をせき止める。

堰堤の裏側に回り込むことができる管理道路が整備され,たまった土砂を取り除くことで,砂防機能を高い状態に保つことができる「管理型」砂防堰堤。

緑井〜八木地区の阿武山周辺には白亜紀花崗岩類とジュラ紀付加体の泥岩が分布しており,泥岩の一部は花崗岩類の貫入によりホルンフェルス化している。山体の地質によって,流下する砂礫の大きさや形状が異なってくるため,必要な砂防堰堤は変わってくると越智先生。

地質と関連させた専門的なお話はとても興味深く,あと1時間くらいは聞いていたい感じ。

堰堤の管理道路から街を見下ろすと,標高の高い所にいることがわかる。

地下に巨大な雨水管を建設する計画であるが,工事は難航しており現在中断中とのこと。シールドマシンの限界を知った。

土石流が直撃して,掘り込み車庫だけとなってしまった家屋。現在でも残る被災当時の生々しさに言葉が出ない。

その後は,復興交流館モンドラゴンに移動し,松井先生の熱いお話。

被災後のまちづくりへの思いや,平和教育と並ぶ広島の防災教育拠点としての役割など,復興へ向けたビジョンを伺うことができた。全国の修学旅行担当の先生方,広島で「防災学習」はいかがでしょうか。

 三篠川沿いの礫層大露頭(安佐北区白木)

やや時間は押しながらも,次の巡検地へ。平成30年7月豪雨のあと現れたという三篠川沿いの巨大な露頭と河川施設の被害を観察した。

強い流れで橋が...と思いきや,壊れたのは河岸のほうである。橋の終点に設置されている橋名板がその証拠。

流路中央には流向と平行な礫質州が。

2009年の航空写真と比べると,河川の流路が変化したことがわかる。

地質時代の土石流堆積物を対岸から観察し,意見交流。

材木を多く含む火山灰層を挟んで上下で大きく礫径が異なる礫層。下位の礫層は上方粗粒化を示しているような...

これからも合同研修が続くことを願って,最後に記念撮影。