トップ 差分 一覧 ソース 検索 ヘルプ ログイン

20200320

西能美島

倉橋島と橋でつながる江田島市,東能美島と西能美島と江田島から構成されY字型をなす。Y字の南部が東能美島,北西部が西能美島,北東部が江田島である。東と西の能美島はしっかりつながっているが,江田島は元来別の島で,干潮時に浅瀬を岩伝いに飛んで渡れるようになっていたことが,埋め立てられた後も大柿町飛渡瀬(ひとのせ)の地名として残っている。

当初は,広島港からフェリーで渡り,高校生のみなさんにご案内頂く予定だったが,新型コロナの影響で,生徒さんの野外活動が制限されてしまったため,第二音戸大橋を渡り,早瀬大橋を渡って,陸路で目的地となる能美島の三高を目指す。

途中,年末に見学した花崗岩とルーフペンダントで接触するジュラ紀付加体露頭の対岸を通ったので,より大きな視点から観察を行う。

 花崗岩に含まれる暗色包有物

こちらが高校生のみなさんにご案内いただく予定だった、内能美漁港の暗色包有物。

現地で観察しても、どこまでが暗色包有物で、どこまでが花崗岩なのか、確かにわかりにくい。

特に右側の方は、暗色包有物に対して石英脈のようなものが入り込んでいるので、三者の境界はかなり複雑になっている。

暗色包有物と花崗岩の境界付近の接写。どちらも特に急冷されたような痕跡はない。

暗色包有物の方には、斜長石の斑晶が認められる。

 花崗岩とルーフペンダントで接するジュラ紀付加体(泥岩・チャートの地層)

土砂災害のため車両通行止めとなっている砲台山への道のりを頑張って歩く。

北からのルートでジュラ紀付加体と、花崗岩のルーフペンダント接触は確認できたものの、通行止めのため頂上までたどり着くことができず、パノラマ展望台にはたどり着けなかった。

下りながら確認すると、花崗岩が出てきたり、ジュラ紀付加体と思われる岩体がでてきたりと、標高や場所に関わらず、結構ランダムに出現する感じで、上の写真では、泥岩中に花崗岩が岩脈状に貫入している様子が確認できたので、かなり複雑な境界面を持っていることが想定される。

 砲台山

北側からはアクセスできなかったが、南側からは車でパノラマ展望台にアクセスできそうなので、登山でたどり着けなかった山頂を目指す。

砲台山とはその名の通り、明治時代にバルチック艦隊に対抗するため、榴弾砲が取り付けられていた場所。

パノラマ展望台からは、対岸に厳島や廿日市市から広島市内まで見渡すことができる。