トップ 差分 一覧 ソース 検索 ヘルプ ログイン

20121217

平尾台・関門層群

今回は、九州の平尾台で石灰岩の大地の観察をし、関門層群では様々な河川が作り出す堆積層を観察しました。

 平尾台

千仏鍾乳洞と大平山、いのちの旅博物館に行った。

千仏鐘乳洞

地下水の流れ方により、様々な形に溶かされた鍾乳石を観察することができた。

入って間もなく現れたのが白銀滝である。この鍾乳石のように勢い良く水が流れてくる場所の上部には、ドリーネがあるのではないかと推測できる。

鍾乳洞の壁は凸凹に波打っていた。これは地下水が通ることにより、周りの石灰岩がとかされて形成された。地下水の水位、水量の変化が、凸凹と波打っている理由として考えられる。

大平山付近

ここでは、ピナクル、ドリーネの観察を行った。

一面に広がるピナクルは雨により侵食を受け、丸い形になっている。

平尾台で一番大きいピナクル(千貫岩(せんがんいわ))。登れそうで登れない。。。

変成を受けたことによりボロボロと崩れるもろい結晶質石灰岩。

 関門層群

関門層群は脇野亜層群と下関亜層群からできている。

脇野亜層群

脇野亜層群では淡水生巻貝、二枚貝の化石を千石峡で2時間探したが、見つけることはできなかった。

下関亜層群

ここでは蛇行河川堆積物の観察、と筋ヶ浜層の基底部観察を行った。

蛇行河川堆積物の特徴として、1ユニット(1つの流路で形成された堆積層)が大きいことが挙げられる。今回観察した堆積層でも、10mを超えそうなものも存在した。写真中央が砂岩と泥岩の境界である。

堆積層に存在した、炭酸塩ノジュール(カリーチェ)

筋ヶ浜層の堆積層を蛇行河川堆積層と比べると、1ユニットの幅がかなり小さいことがわかる。

つまり、筋ヶ浜層が堆積した河川はAの蛇行河川のような川ではなく、もっと流路が簡単に変更できるような(どちらかといえば網状河川に近いような)河川の状態だったと推測できる。

このように、同じ礫や砂でできている堆積層でも、その層の厚さや、岩石の状態からどのようにして堆積層が形成されたのか、当時の堆積環境を推測することができる。