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20141106

厳島調査(広島県廿日市市)

今回は,ユネスコの世界文化遺産「厳島神社」のある厳島(宮島)南部の御床浦付近の花崗岩と土石流堆積物の調査を行った。安芸の宮島として日本三景の1つにも数えられているこの宮島は、島の全域が瀬戸内海国立公園の特別保護区域となっており、弥山の原生林は特別天然記念物として指定されている。

そのため、観光客で賑わう厳島神社から約2kmほど南の広島大学宮島自然植物実験所までは車道が整備されているが、基本的に島の南部には道路は整備されていない。

ちなみに潮間帯の調査のために大潮の日を選んだので、この日の朝の厳島神社は高潮で社殿ぎりぎりまで海水がきていた。

大鳥居も完全に水没している。

ちなみに潮がひいている時は歩いて近寄ることができる。

 海岸の移動

この日の干潮は15時。午前中は潮が満ちていて海岸沿いを移動するのは大変なので、林道を移動する。

林道とはいっても、道はあるようなないような、そんな感じ。

大野瀬戸の辺りにくると、対岸の大野浦がとても近くに見え、対岸から泳いで渡った方が楽なんじゃないかと思えてくる。

 御床浦の土石流堆積物

御床浦は、厳島南部の最高峰岩船岳(466.3m)から北西斜面を流れ下ったとみられる土石流堆積物によって地形が形成されている。海岸沿いの海食崖には、大小さまざまな礫が、堆積している様子を観察できる。

御床浦の先端に座する神社は、花崗岩を基盤としているが、その後ろはすべて土石流堆積物と見られる。

ちなみにすぐ南側の露頭は、強風化してまさ土化した花崗岩が露出しているので、土石流堆積物との見かけの違いを理解していただけると思う。

 おまけ

徒歩で片道2時間はかかる宮島南部の調査ではあるが、途中おにぎりのような変な形をした岩や、

古代人の構造物ではないかと思えるような、水平節理の発達した花崗岩や、

粗粒な花崗岩に貫入した細粒アプライト脈を横から見た図

などが見られることもあって、なかなか魅力的な所なのです。そこまで頑張って歩く元気を出すためには、宮島口の「あなごめしうえの」で穴子弁当を買っておくことがとても重要です。