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20220223

白岳山・蒲刈(広島県)

■巡検スケジュール■
2/23 広島大学(9:00)→白岳山登山口(10:00)→鉱山跡(10:40)→上蒲刈島(15:00)→歴史の見える丘公園(16:15)→広島大学(18:00)

 白岳山

呉市南部、瀬戸内海に面して鎮座する標高357mの白岳山.ここは、むかしむかし採掘場が存在したほど石灰岩が顕著にみられる。今回は、石灰岩が接触交代作用を受けてできるスカルン鉱物がみられるという情報を頼りに、一行は意気揚々と山奥深くへと足を踏み入れていった…。

登山口、と呼ぶにはあまりにも迎える気のない山道。10mも歩けば道なき道を歩くように…。木に括りつけられた、頼りないか細いピンクのひもを頼りに、奥へ奥へと進んでいく。

30分ほど歩くと、急に開けた場所に。対岸にそそり立つ岸壁はところどころ白く見える。目的の採掘場跡である。

石灰岩と花崗岩と接触境界を発見。一行はスカルンの息づかいを確かに感じ、胸を躍らせる。

坑道跡も発見。周辺をくまなく調査する。が…。接触境界は見つけられるもののスカルンらしきものは見当たらず…。

2つ目の採掘場跡では非常に大きなペグマタイトの岩体を見つける。茨に刺されながら草木を分け、崖を這い上った挙句、何の収穫も得られていなかった一行は、今回の巡検はペグマタイトの採集であったと思い込ませ、現実から逃げていた。すると、いつものごとく岩いじりをしていたH先輩が、「あッッ!!!」

完全にスカルン鉱物である。一同歓喜。これが「天然の宝石箱」である。

 蒲刈

本州と四国をつなぐ大動脈、しまなみ海道から西側に、下蒲刈島・上蒲刈島・豊島・大崎下島という4つの島が浮かんでいる。これらは本州から大崎下島まで、計4本の橋で接続されており、通称とびしま海道と呼ばれる。今回は、この地域の地質を調査し、存在がほのめかされているコールドロンについての研究の足掛かりとする。

はずだったのだが…

これらの島々、さすが瀬戸内海と言うべきか、島全体が柑橘系の果物の畑である。海側は風化とモルタルとジャングルジムによって満足のいく岩石は見つからず…

山を上がってみても上から眺める景色はオレンジ一色である。こんな島を、先人たちはどうやって詳細な地質図に落とし込んだのか。私ならすべて橙色に塗って終らせる。

せっかくなので道沿いで売っていたみかんを買って帰った。気のいいお父さんからの止まらない試食に口をすぼめながら、みかんを頬張った。

ぱっと見では判別のつけられない柑橘類たち。私たちにとっては岩石鑑定より難解かもしれない。

帰る途中で幻日も見られた。今回の巡検は、当初の予定にないものが見ることができ、これはこれで面白い巡検であった。