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20180405

和歌山調査

 和歌山県の最南端,潮岬とその沖合にある紀伊大島に分布する”潮岬火成複合岩体”と呼ばれる火成岩のそれぞれの岩相を観察することが目的。火成複合岩体とは,地表に噴出した火山岩類と,地下に貫入した貫入岩類とが密接に伴って産出する岩体のこと。潮岬の火成複合岩体ではさらに,酸性岩と塩基性岩も混在する不思議な火成岩体となっている。紀伊半島の南部には一般的に四万十帯に属する牟婁層群と,これを不整合で覆う中新統の熊野層群が分布している。潮岬火成複合岩体は,この熊野層群に対して貫入したと考えられている。

 潮岬

天気の良さに,つい調査を忘れて景色の美しさに見入ってしまう。

色調は白いが斑糲岩。

潮岬灯台の入り口で,とりあえず記念撮影。

潮御崎神社の脇をずっと抜けていくと・・・

そのさきには潮岬の鯨山見と呼ばれる回遊してくる鯨を見張る見晴らしの良い高台に出ます。

潮御崎神社から海岸の方へ降りていくと,南紀熊野ジオパークで「潮岬の火成岩」として指定されている岩脈を観察することができました。

場所を移動して,ナビラカと呼ばれる県立潮岬青少年の家付近の海岸にアクセス。こちらではカンラン石斑糲岩(赤茶色に見える岩石)が,粗粒玄武岩の中にブロックとして含まれている様子を観察。

同じくナビラカの海岸では,グーグルマップの航空写真でもはっきりわかる巨大な岩脈も観察できた。

中ノ浦では,斑糲岩中を粗粒玄武岩の岩脈が貫く様子を確認できた。

 紀伊大島

須江崎で,流紋岩質の火砕岩層を見学。

淘汰不良の凝灰角礫岩の中に,細粒な凝灰岩層が挟まれている様子を観察。

日米修好記念館の近くにある海金剛を見学。朝鮮半島の名勝である金剛山から名前をとったとされるピラミッド型の岩がそびえたつ鋭く切り立った岩礁。

岩がなぜこんな形になるのか気になって海岸まで降りてみると,岩石中に発達する柱状節理が影響していることが判明した。

 おまけ

せっかく太平洋に面した和歌山に来たからにはチャンスを無駄にせずにトライせねば,と夜釣りにいそしむ人々。