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20201115

三方五湖・年縞博物館・オフィオライト

 三方五湖

三方五湖とは、福井県三方郡美浜町と同県三方上中郡若狭町にまたがって位置する5つの湖の総称。

淡水の三方湖から、汽水〜海水まで様々な環境が広がっている。

中でも水月湖は、三方湖から淡水、久々子湖からは汽水が流れ込み、表層の淡水と,下層の汽水で二層構造になるため、湖の表面に強風が吹いても表層が攪拌されるのみで、湖底の汽水は滞留したままとなる。

湖水が循環しない水月湖の水深7m以深は、無酸素状態で生物がほとんど生息できない状態となるため、通常なら生物擾乱によって撹拌されるはずの堆積物の季節変化を示す年縞(1年が0.7mm)が7万年以上にわたって保存されている。

昼食としてあてにしていたレインボーライン入り口近くにある水月湖名物のドライブインよしだのイカ丼はあえなく敗退。

途中発見したドライブインやまだで,ソースカツ丼を食べて福井県に来たことを実感。

レインボーライン途中の展望台からは,少しでも高い位置からいい写真を撮ろうと苦労。

それぞれの湖の位置関係と,淡水/汽水/海水の違いや,三方断層の位置などを確認。

 年縞博物館

年縞博物館には福井県の水月湖で採取されたボーリングコアが展示されている。

しかもちょうど「関西文化の日」のため、無料で入館できるとのこと!

ボーリングコアは45mでおよそ7万年分に相当し、世界の気候変化を示す物差しとして利用されている。

その年縞の中には、地震によって流れ込んだ土砂や、

火山活動の様子などが克明に記録されている訳だが、3万年前の出来事が± 48年で特定できるという、その精度に驚き。

結局閉館時間(17:00)ギリギリまで,年縞博物館を満喫してしまった。

夜、明日の朝食の買い出しに出かけた際に、福井の夜空の暗さに感動して、みんなで夜空を見上げていたら、ほんの数分間に2〜3つも流れ星が飛びました。

おうし座北流星群(11/12極大)と、しし座流星群(11/18極大)の中あたりだったので幸運だったのかも。

 オフィオライト

2日目が本来の目的であるオフィオライトの観察。大飯町の大島半島では、ペルム紀赤色チャート層に衝上する舞鶴帯南帯の夜久野オフィオライトの破砕されたマントルかんらん岩を観察できる。日本でマントルと地殻の境界が見られるのはこの地点のみ.

こちらがかつてマントルを構成していたとされるウェルライト(単斜輝石多めのかんらん岩)。

上級生を手足に使う4年生の図.

右側がマントルを構成していたかんらん岩で、左側が海洋地殻を構成していた変斑レイ岩なので、ここがちょうどかつてのモホロビチッチ不連続面。

寄って見るとこんな感じ.引きで見ると白っぽい変斑レイ岩と黒っぽいかんらん岩が層のように互い違いで接しているが,それぞれの岩体同士はけっこうシャープに接している.

 赤礁崎

赤礁崎では超丹波帯に属する赤色チャートや泥岩と,舞鶴帯に属する蛇紋岩の境界が接している様子が確認できる.赤礁崎に行く途中までの海岸ではオリビンサンド(カンラン石が主に含まれる砂浜)も見られる.

砂浜に流れ出る小川からはここ最近の地研のブームである網状河川の堆積環境が読み取れる.

オリビンサンドや網状河川物を見てはしゃぐ人の図.今回の巡検で一番テンションが上った瞬間だろう.

目的地に向かうためには様々な苦難を乗り越えなければならない.

赤礁崎に到着.今まで礫でしか確認できていなかった赤色チャートの露頭を見ることができた.

帰り道,砂浜でできるだけ粒度の粗いオリビンサンドを採取.みんな夢中で砂を取る.