地層や地層の境界面,断層などの面が複雑な形をした地表にどのような形で表れるかは,地質図学に基づいて調べることができます。
ただ,慣れないうちは,等高線から地形を読み取ることが難しく,図学で簡単に境界を描くことができます,と言われてもも,自分がいったい何の作業をしているのかわからないことがあります。
そんな地形図の読み取りや地質図学を苦手とする人のために,3次元(地形)がどのように2次元(等高線)として表現され,等高線をもとに,どのように立体的なイメージを作り上げれば良いか,考える際の手助けになれば幸いです。
水平層
(図をクリックすると立体的に観察できます)
水平な地層や地層境界は,断面図で見た際に,位置が変わっても標高が変わらないため,地表面には等高線と平行した形で表現されます。
垂直層
(図をクリックすると立体的に観察できます)
垂直な地層や地層境界は,断面図で見た際に,標高が変わっても位置が変わらないため,地表面には等高線とは無関係に直線として表現されます。
地表面と同じ方向へ傾斜した層
(図をクリックすると立体的に観察できます)
地表面とほぼ同じ方向に約45°で傾斜した地層や地層境界は,相対的に標高が高い尾根の部分には上盤側の地層が露出し,相対的に標高が低い谷の部分には下盤側の地層が露出するため,尾根と谷が塗り分けられる形で表現されます。
地表面と同じ方向へゆるく傾斜した層
(図をクリックすると立体的に観察できます)
地表面とほぼ同じ方向に約20°でゆるく傾斜した地層や地層境界は,相対的に標高が高い尾根の部分には上盤側の地層が露出し,相対的に標高が低い谷の部分には下盤側の地層が露出するが,境界面の傾斜がゆるいため,水平な場合と,45°で傾斜した場合の中間のような形で表現されます。
地表面と反対方向へ傾斜した層
(図をクリックすると3DCGで立体的に観察できます)
地表面と反対方向に約45°で傾斜した地層や地層境界は,標高が下がるほど境界が奥に引っ込み,標高があがるほど境界が手前に出てくる形で表現されます。
走向と傾斜を自由に変化させてみる
(図をクリックすると3DCGで立体的に観察できます)
斜面を横切る地層境界面の走向と傾斜を自由に変えられるバージョンです。
画面右上に表示されるコントロールパネルを使って,地層面の位置,走向(strike)と傾斜(dip)を変化させて,地表面に表れる境界の変化を確認しましょう。
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