雲の動きの観察
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マウスをクリックして左右に動かすと雲の動きを観察できます。
中層と下層での雲の動き方の違い
空の低い所にある積雲は,北から南に向かって動いているのにたいして,空の高い所にある巻雲は積雲の動きに直交する形で西から東に向かって動いている。空の低い所にある積雲は消長したり形を変化しながら,地表付近の気圧配置によって生じる風に乗って移動するのに対して,空の高い所にある巻雲は,形はあまり変化しないまま,偏西風の影響で,西から東に移動していくことが多い。地表の観察では地上付近の風向きしか知ることができないが,雲の観察により,大気の高さに応じて風の向きが異なることがあることを理解できる。
巻雲の動き
巻雲は,雲の中でも一番高いところにてきる雲で,雲に陰影が無く,空にはりついた模様の様に見える。
気温の低い空の高い所にできる雲なので,ほぼ全て氷の結晶からできていて,氷の結晶が落下しながら蒸発することで,刷毛て白いペンキを伸ばした感じで雲の先端がカギ状に曲がって見える。 巻雲は温帯低気圧の温暖前線面付近に形成されるため,低気圧の接近に伴い温暖前線やが接近してくるとき最初にあらわれる。
動きの特徴としては,形はほとんど変化しないまま,西から東へ移動していくことが多い。
高積雲の動き
高積雲は,小さな塊状の雲片が群れをなして,斑状や帯状の形をつくる。巻積雲よりも低い所にあるので,巻積雲よりも雲片が大きくはっきりとしており,厚いため雲の底に薄灰色の影ができる。見かけの大きさ(視角度)は,約1~5度の範囲内にある(手を延ばした際の指の太さよりも大きい)。
動きの特徴としては,形はほとんど変化しないまま,西から東へ移動していくことが多い。
層積雲の動き
層積雲は,白色または灰色で,大きな塊が群れをなし,ロール状,斑状。層状などと形容される集まり方をした雲。高度 2,000 m 程度の高さに形成されている場合か多く,冬の朝に空一面に広がっていることもある。高積雲と形か似ているが,高積雲との違いは雲片の大きさで判断し,見かけの大きさ(視直径)が約5度以上ある(手を延ばした先の拳よりも雲片が大きい)場合は層積雲とする。 多くの場合,塊を形成するが,層状に全天を覆うこともある。
動きの特徴としては,風に乗ってどんどん動いているように見えるのに,よーく観察すると,前面で雲が消え,後ろから新しく発生した雲ができているので,いつまでの同じ場所に雲がある。
乱層雲の動き
空全体を覆い,一様で暗灰色をした雲で,雨雲または雪雲とも呼ばれ,降水をもたらす。高層雲との違いは,太陽や月を完全に覆い隠してしまうので,太陽の位置がわからなるので,時間もわかりにくい。
積雲と巻雲の動き