!!!常念岳〜蝶ヶ岳 2年ぶりのアルプス夏の陣は、地研初の常念山脈へ。その主峰、常念岳(2857m)から蝶ヶ岳(2677m)まで縦走し、いつもとは違う角度から槍穂高を見に行こう。 ■巡検スケジュール■ 8/23 広島大学(8:00)→吉備SA(10:05)→宝塚北SA(12:12)→塩尻北(17:44)→ほりでーゆ四季の郷(20:00) 8/24 ほりでーゆ四季の郷(5:30)→三股駐車場(6:00)→前常念岳(10:33)→常念小屋(12:40) 8/25 常念小屋(6:20)→常念岳(7:23)→蝶槍(10:45)→蝶ヶ岳ヒュッテ(11:50)→三股駐車場(16:40)→ホテル中村屋(21:15) 8/26 塩尻(8:00)→中央道駒ヶ岳SA(9:00)→程野露頭(10:14)→天竜峡(11:55)→新名神 鈴鹿PA(15:30)    →山陽道 福山SA(18:30)→広島大学(20:00) (持参した昼食等の参考) *大きいザックに新調して荷物に余裕がある24歳学生:飲料2L、おにぎり3個、パン2個、ゼリー飲料2個 *最小限の荷物で軽くしたい50代教員:飲料2L,おにぎり4個,パン2個(ゼリー飲料買うの忘れた) カプヌ食べたので,おにぎりとパンを1個ずつ余り *登山している人の中で一番金がかかっていない23歳学生:飲料3 L(内、1.5 L 山荘等で補充)、おにぎり2個、パン2個、ゼリー飲料2個、グミ2袋、Soyjoy2本 (カップヌードルを食べたので、パン1個とゼリー飲料1個余り) !!初日|安曇野まで移動 今回は院生2名(M1、M2)と先生のみの参加。 8時15分に大学を発ち、吉備SA、宝塚北SA、養老SAで休憩しながら、18時ごろ塩尻に到着。 {{ref_image PXL_20230823_1656.jpg}} 今回,初めて中央道で直接長野県を目指す。長野道に分岐する直前に東京から200kmのキロポストを発見。 {{ref_image からあげセンター.jpg}} 初日の晩御飯は全国からあげグランプリで金賞を受賞した「からあげセンター」へ。 {{ref_image 山賊焼き.jpg}} 手のひら以上の大きさになる山賊焼きを実食。広島で山賊焼きといえば某いろり山賊の串にささった焼き鳥のイメージだが、松本のほうでは巨大な揚げ物になる。長野県民の胃袋の大きさに感服。 {{ref_image ほりでーゆ.jpg}} 宿は「ほりでーゆ四季の郷」。駆け込みで温泉にも入り、コテージで贅沢な睡眠をむさぼり、明日に備える。 !!2日目|常念小屋 !登山口から前常念岳へ 宿から三股駐車場(1257m)までは1本の山道を30分ほど。 {{ref_image DSC03634.jpg}} 駐車場から登山届を出す場所までさらに800m。 {{ref_image 登山口.JPG}} 平日であったが第1駐車場はほぼ満杯。登山者は多そうである。登山届も提出していざ登山開始(6:30)。 {{ref_image 分岐.jpg}} 登山口から少し行くと、常念岳と蝶ヶ岳への分岐にあたる。 …あれ、他の登山者みんな蝶ヶ岳のほうへ行っちゃった…。 {{ref_image ミツマタ樹林帯.JPG}} うっそうとした樹林帯を、かなりの急傾斜で登っていく。 {{ref_image ヘアピンカーブ.jpg}} {{ref_image 沼.JPG}} 巨大な木の幹やいろは坂なみのヘアピンカーブ、沼地にも阻まれる。霧も出てきてかなりの湿気に体力が持っていかれる。 {{ref_image IMG_1048.jpg}} 2200mほどまで上がると前常念まで続く尾根に出る(8:50)。ここでようやくほかの登山者に出会い勇気づけられる。 自分たちの同じく蝶ヶ岳まで縦走するそう。がんばりましょう。 {{ref_image DSC03653.jpg}} ハシゴを登ると,樹林帯を抜け花崗岩地帯に突入です。 {{ref_image 雲間から前常念.JPG}} やっと霧が晴れて前常念岳が見えてきた。 {{ref_image 急崖.jpg}} 前常念岳手前から岩稜帯に突入。写真では伝わりきらないが傾斜はかなりあります。 {{ref_image ひとやすみ.jpg}} ほかの登山者もいないので好きなところでひとやすみ。風がここちよい。 ルートを間違わないように足元ばかり見て登っていると… {{ref_image ライチョウ.JPG}} 頭上の岩にライチョウの姿を確認!念願の初ライチョウに大興奮。 {{ref_image 道案内ライチョウ.JPG}} まわりの草木をむさぼりながらウサギのように飛んで岩場を上がるライチョウ。 お前の羽は何のためにあるんだ。 警戒心はかなり薄いようで、5分ほど一緒に登山しました。 {{ref_image ライチョウツーショ.jpg}} ライチョウとのツーショット。その口はライチョウの体形を揶揄しているのでしょうか。 出会った人曰く、オコジョの親子にも遭遇したらしい。 {{ref_image 前常念登頂.JPG}} 10:33、前常念岳(2661m)に到着。しかし、少し前から小雨が降りだし、何も見えない。 {{ref_image 雨宿り.jpg}} とうとう本格的な雨が降り出したため、避難小屋に入り雨風をしのぐ。 !前常念岳から常念小屋へ {{ref_image トラバース分岐.jpg}} 雨脚が弱まった隙に登山再開。ここからさらに常念岳まで登ってから常念小屋に至る予定でしたが、天候悪化と序盤の体力消耗に伴い直接常念小屋に至るトラバースルートを選択(11:30)。 途中鎖場(ロープ)やガレ場をいくつも越える。雨で足元が不安定で体力的にかなりしんどく、無言で歩を進める時間が続く。 {{ref_image 常念小屋ちらり.jpg}} かれこれ40分ほど歩くと、ようやく常念小屋の赤い屋根が見えてきた。あとすこし! 実はM1君、かなりの空腹で、山小屋で食べるカップラーメンのことしか頭にありません。 {{ref_image 824槍穂高見えない.JPG}} {{ref_image 常念山荘と常念岳.jpg}} 12時40分、常念小屋に到着。槍穂高は雲に隠れて全く見えず。ざんねん…。 {{ref_image トラバース警告.JPG}} 自分たちが通ってきたトラバース道は”要相談”らしい。うすうす気づき始めていたが、一の沢から登るのが王道だったのでは…。 {{ref_image 山小屋コーヒー.jpg}} 今回初持参したOD缶とバーナーでお湯は自前で調達し、100℃で沸騰しないコーヒーをたしなむ(とはいっても常念小屋はポンプで水をくみ上げているらしく、お湯や温かいお茶が準備されており水はかなり贅沢に使わせていただいた)。なんとハーゲンダッツも各種取り揃えられており、おもわず購入。500円は山小屋価格にしては安いのではないだろうか。 {{ref_image ヘリ.jpg}} 岐阜県側から物資をぶら下げてヘリが到着。松本から直接来ないのかと思ったら、このあたりは一度上高地を経由してから運ばれてくるそう。 {{ref_image 山荘晩御飯.jpg}} 晩御飯はハンバーグ。ごはん・味噌汁お代わり自由。ありがたや。 着いたのが昼過ぎだったためあまり人がいなかったが、夕飯時には満員。やはりかなり人気のある山みたい。子供連れも多く、多くの方が一の沢から来られていた。次来るときはそっちにしよう、ぜったい。 !!3日目|常念岳から蝶ヶ岳の縦走 !日の出 夜はあまり寝付けず、日の出1時間前から身支度をして外へ。夏山とはいえ気温は一桁代だろうか、かなり寒い。 {{ref_image 朝日.jpg}} {{ref_image 明けの明星.JPG}} つい最近(8/12)に内合を迎えた金星が東の空に「明けの明星」として見える。 {{ref_image モルゲン.JPG}} 雲一つない最高の天気。昨日見られなかった槍穂高がすべて見える。きれいなモルゲンも見ることができた。 {{ref_image 小屋と穂高.JPG}} 屋根の赤と空の青、そしてアルプスの山肌。なぜこんなにも映えるのか。最初に山小屋の屋根の色を赤にしたひとになにか賞をあげたい。 !常念小屋から常念岳へ {{ref_image 常念登り.JPG}} 朝ご飯を済ませ、6時20分に常念岳へ出発。延々と続く花崗岩のガレ場を登っていく。 {{ref_image 雲海.JPG}} 雲海が異世界感を増してくれる。 {{ref_image 大天井岳.jpg}} 大天井岳、さらに燕岳まで見える。いつかは表銀座に行ってみたい。 {{ref_image 富士山.jpg}} {{ref_image 槍穂高と常念.JPG}} 中腹あたりで富士山が登場。振り向けば槍穂高が一望でき、登山の疲れなど全く感じない。 {{ref_image 常念山頂.jpg}} 7時23分、常念岳山頂(2857m)。北は燕岳、西は槍穂高から立山、東は富士山と360°パノラマとはこのこと。あまりにも遠くまで一望できる好天に、地球は平面なのではと思ってしまう。 !常念岳から蝶ヶ岳へ {{ref_image 常念青空.JPG}} すばらしい眺望にだいぶ満足してしまいましたが、ここからが本番といってもいい。 {{ref_image 蝶ヶ岳へ.JPG}} 尾根をつたい、2つほどピークを越えた先にある蝶ヶ岳まで頑張りましょう。縦走とはいえかなりのアップダウンが見て取れる。 {{ref_image 槍を見ながら縦走.JPG}} 槍を見ながら縦走なんて贅沢すぎる。 {{ref_image 槍穂高からきました.JPG}} 槍にいつかは登りたいけれど、登ってもこの絶景は見れないというジレンマ。 {{ref_image 樹林帯へ.JPG}} 蝶ヶ岳に近づいてきて、再び樹林帯へ。常念側は低木だが蝶ヶ岳側は針葉樹林でうっそうとしている。地質も関係しているのか(常念は花崗岩、蝶ヶ岳は堆積岩類) {{ref_image 沼2.JPG}} 昨日のことが思い出される沼。やはり一筋縄ではいかないのが縦走。 {{ref_image 2592ピーク.JPG}} 変なところにある「蝶ヶ岳」の看板。紛らわしいですがまだ半分も行ってません。 {{ref_image DSC03841.jpg}} 向かい側の山のてっぺんにちょこんと見えているのが蝶槍。 {{ref_image 蝶槍.JPG}} 10時45分、蝶槍(2661m)。これで蝶ヶ岳まで3分の2ほどまで来ました。 {{ref_image 撮影会.JPG}} ライチョウの親子を発見。槍穂高と一緒にとれる最高のロケーションに撮影会が始まる。 {{ref_image 槍に挑むライチョウ.jpg}} 槍が雲で隠れているのが残念でしたがほれぼれする写真。このなんともいえないフォルムがライチョウの魅力。 {{ref_image DSC03877.jpg}} 蝶槍をこえると,常念側ほどアップダウンはなくなり歩きやすい縦走路に。 {{ref_image 蝶ヶ岳までもうすこし.JPG}} 樹林帯を抜け、蝶ヶ岳まではあとすこし! {{ref_image 蝶ヶ岳ラーメン.jpg}} 11時50分、蝶ヶ岳ヒュッテ到着。もちろんラーメン食べます。 {{ref_image DSC03905.jpg}} 標識の向きが悪い蝶ヶ岳の山頂(2677m)。バックに槍・穂高連峰が良く見える。 {{ref_image DSC03902.jpg}} 蝶ヶ岳山頂の文字を写そうとすると,背景は地味になってしまう。 !下山 {{ref_image DSC03906.jpg}} 12時50分,下山開始。上高地側は晴れているのに,松本側からすごい勢いで雲が湧き上がっている。 {{ref_image DSC03910.jpg}} {{ref_image オオヒョウタンボク.jpg}} 蝶ヶ岳の頂上直下は,トリカブトの青い花や,オオヒョウタンボクの赤い実がなっていて色鮮やか。 {{ref_image DSC03911.jpg}} 13時08分,蝶ヶ岳山頂から約1kmの距離にある登りの最終ベンチ。 {{ref_image DSC03912.jpg}} 標高2,500mのこのあたりの景色は完全に雲の中。 {{ref_image DSC03913.jpg}} 13時37分,ようやく雲の下に出て,下界が見えてきた。 {{ref_image DSC03915.jpg}} 14時44分,ベンチのあるまめうち平。ここから終点へ向けて傾斜が急になっている。 {{ref_image DSC03917.jpg}} 15時44分,これが有名な「ゴジラのような木」,けっこう迫力がある。 気がつけば,まめうち平から1時間も下ってきたのか・・・ {{ref_image DSC03918.jpg}} 15時56分,ゴール直前で現れた水場「力水」。 {{ref_image DSC03923.jpg}} 16時16分,長い下りを経て,ようやく出発点へと戻ってきた。 {{ref_image 山賊焼き2.jpg}} 晩御飯は、とうじ蕎麦なるものを食べようと思ったが、入れなかったので再びからあげセンターへ。 先生とM2さんはさすがに山賊焼きを断念。M1くんは懲りずに全く同じメニュー(山賊焼き&ラーメンセット(ラーメンは普通サイズ))を注文。アルプスで失われた登山者のエネルギーを回復してくれる。 {{ref_image 高ボッチ霧.jpg}} {{ref_image 塩尻夜景.jpg}} ついでに高ボッチ高原から夜景を撮ろうと思ったが、山頂を目前にして濃い霧が発生したため断念(写真だとわかりにくいがチンダル現象でお先真っ白状態)。行く途中の開けたところで塩尻の夜景をおさめました。 !!4日目|中央構造線程野露頭 {{ref_image DSC03929.jpg}} 最終日は,飯田市にある中央構造線の程野露頭を見学。 {{ref_image DSC03931.jpg}} 尾根と川がそれぞれずれる右横ずれの活断層地形があるらしいが,地表からではよくわからなかった。 {{ref_image DSC03933.jpg}} 平成24年7月に新たに発見された露頭。 {{ref_image 202308261029.jpg}} 外帯(赤石山脈側)の変成岩・堆積岩系の岩石と,内帯(伊那山地側)の花崗岩が接する様子を観察できる・・・はずだったが,分厚く土砂が覆っていて,詳しく観察することはできなかった。 程野露頭の破砕帯がこれほど柔らかいのは,断層が今なお活動的であることを示す特徴だとか。 {{ref_image 202308261047.jpg}} 露頭の上部の尾根筋がS字にカーブしているのは、中央構造線が活断層として右横ずれしていることを示す変形地形なのだそうな。 人が立っているあたりを中央構造線が通り,手前の尾根に対して奥に位置する尾根が右側にズレている。 !天竜峡 結局,塩尻では2日ともからあげセンターを愛用してしまったので,長野っぽいものが食べたいということで,最終日の昼食は天竜峡そばを食べることになりました。 {{ref_image 202308261207.jpg}} ざるそばに五平餅をセットしてみました。五平餅を食べたのは初めてだったけれど,美味しかった。 !かなとこ雲 {{ref_image かなとこ雲.jpg}} 広島に近づいてくると、発達した積乱雲が圏界面まで達して平たく広がった「かなとこ雲」に遭遇。場所的には安芸高田のあたりが荒れていそう。 !福山SA 昨晩の高ボッチ高原と中央構造線程野露頭行きでガソリンを消費してしまったので,大学どころか福山SAまでもたどり着けないかと思われたが,なんとか大丈夫だったので,とりあえず尾道ラーメンを食べる。 {{ref_image 202308261839.jpg}}