!!!和泉層群をめぐる 和泉層群は,愛媛県松山市から和歌山県の和泉山脈にかけて幅数km,東西約300kmにわたって分布する上部白亜系。領家帯を基盤とし,南縁は中央構造線で三波川変成帯と接することが多い。堆積盆の形態は,西に向かって深くなる構造で,東へ向かって地層の形成年代が新しくなる傾向にあるため,細長い堆積盆の中で西から東に向かって堆積が進行していったと考えられている。 {{ref_image IMG_20190615_1133.jpg}} 午後から大雨の予報であったが三木SAでは青空が広がっていた。 !!野島断層保存館|北淡 {{ref_image DSCF3717.jpg}} せっかくの淡路島なので,野島断層保存館にて兵庫県南部地震で出現した野島断層を見学。 {{ref_image DSCF3734.jpg}} 野島断層のトレンチ展示。1995年の変位量を戻しても両側の地質は全く合わないので,かなり長い年月をかけて繰り返し運動してきたことがわかる。 {{ref_image DSCF3743.jpg}} メモリアルハウス内では,地震が発生した場合のキッチンの様子を再現展示してある。 {{ref_image 300mm.jpg}} 北淡から淡路島の南に移動する途中,30mm/hの雨(前を走る車が見えない)と遭遇。 !!和泉層群と大阪層群の不整合|南あわじ市潮崎 淡路島南部では,上部白亜系和泉層群に不整合で重なる新第三紀鮮新世〜第四紀更新世の大阪層群を観察。大阪層群は,氷期と間氷期を繰り返しながら海面が下がったり上昇したりを繰り返しつつ,六甲山地がどんどん高くなって現在の地形に近づきつつある時代の堆積物。 {{ref_image DSCF3760.jpg}} 淡路島南端潮崎にある和泉層群と大阪層群の不整合を観察に来たが,車をとめた場所の近くでさっそく未固結の大阪層群の礫層を観察。 {{ref_image DSCF3771.jpg}} 大阪層群の基底部は,かなりの厚さの礫層で構成されている。 {{ref_image DSCF3780.jpg}} 淡路島らしく海岸にはタマネギが打ち上げられている。 {{ref_image DSCF3785.jpg}} 谷の南側では和泉層群の砂泥互層が見られる。 {{ref_image DSCF3786.jpg}} 谷の北側には,大阪層群の礫層が続いており,境目はいまいち不明であった。 {{ref_image DSCF3803.jpg}} 大阪層群の礫層中には,白色で石英質な礫が目立つ。 !!和泉層群|南あわじ市吹上浜 {{ref_image DSCF3812.jpg}} 吹上浜で和泉層群の岩相の観察を試みたが,すごい雨で撤退。ただ吹上浜は水槽の下にしきたくなるようなきれいな砂利で構成されていた。 !!和泉層群|鳴門市網干島・竜宮の磯 {{ref_image P1150081.JPG}} 昨日とはうってかわり,晴天に恵まれた2日目は鳴門にて大鳴門橋を眺めつつ和泉層群の観察から始まった。 {{ref_image DSCF3838.JPG}} 見事な砂岩泥岩互層が観察でき,各々が層厚や走向傾斜を調べていた。北上するとより砂岩が厚くなっていった。 {{ref_image _DSC0724.JPG}} また,2つの断層が交わっている露頭も観察できた。 {{ref_image DSCF3859.JPG}} そのほか,スランプ構造や, {{ref_image P1150109.JPG}} 転石ではあるが,フルートキャストを観察できた。 {{ref_image _DSC0847.JPG}} 南下して竜宮の磯での観察を試みたが,潮の関係で観察できず...。 ただ,道路下の露頭でフルートキャストを観察することができた。 !!和泉層群と領家帯の不整合|東かがわ市引田 {{ref_image DSC_0587.JPG}} 地図の物見台から西方向に向かって降りていく。 {{ref_image DSCF3880.JPG}} 意気揚々と降りていく。この後の道が道でないとも知らずに...。 ※降りていくときには,赤いビニールテープを探しながら進んでいきましょう。 目立つオレンジのビニールテープに従うと,崖に出てしまい目的の露頭にたどり着けません。 {{ref_image DJI_0106.JPG}} 数人が遭難状態になりながらも,なんとか15人全員が目的の露頭に到着。 右側から進んでいくと,足元が領家の花崗岩から和泉層群に変化していって興味深い。 {{ref_image P1150306.JPG}} 不整合面を探していると基底礫が入り込んでいることが確認できた。 {{ref_image P1150315.JPG}} ここでは,柱状図を作成するために観察をおこなった。 途中,大粒の通り雨に見舞われたが,互層のくぼみで雨宿り。 {{ref_image P1150325.JPG}} 南下していくと,泥岩がちから砂岩がち,また泥岩がちへと変化し,写真の場所では奥に砂岩がちの互層が広がっている。 どちらに変化したかによって,その堆積環境を考察できるだろう。 {{ref_image P1150326.JPG}} もっと南側も観察したかったが,限界を感じここまで。 帰りは道に迷うこともなく,無事に全員が帰路につくことができた。 {{ref_image DJI_0101.JPG}} 帰ってきてからドローンで撮影した写真を見ると,領家帯花崗岩(右下の白い部分)と和泉層群(中央から左上の黒い部分)が重なっているのがわかる。