!!!高知巡検  付加体の堆積物を見学するために,高知県土佐市の横浪半島の先に位置する五色ノ浜と,室戸岬を観察した後,徳島県三好市の大歩危にて三波川変成岩中の礫質片岩を観察。 !!巡検資料 {{ref 高知巡検.pdf}} !!五色ノ浜  横浪半島にある海岸で、四万十帯の陸源砕屑物に由来する含礫泥岩を主体とする堆積性のメランジュ(いわゆるオリストストローム)と,海洋プレートが沈み込む際にもたらされたと考えられている遠洋性のチャートを観察。 海溝の中に,陸側からの堆積物と遠洋性の堆積物が同居しているという海溝充填堆積物の典型例であるともいえる。 五色ノ浜は,日本列島が海洋プレートの沈み込みと,それに伴った付加作用によって成長してきたことを証明する場所として,平成23年に国の天然記念物として指定されています。 横浪周辺の海岸は,隆起海岸であるため,比較的厳しい地形となっている。 {{ref_image IMGP6514.jpg}} こんな岩山をこえていくと・・・ {{ref_image IMG_5082.jpg}} メランジュと言われる,泥岩を基質として数センチから数十センチサイズのさまざまな種類の礫を含んだごちゃごちゃした岩石がある。 {{ref_image IMGP6525.jpg}}  泥岩の中に異質で大きさの異なる岩石が含まれており,泥岩自身も付加された時の圧力により粘板岩といってもよいほど片理面が発達している。 {{ref_image IMG_5096.jpg}} チャートも堆積して付加されるときに層が歪んでしまった {{ref_image IMGP6488.jpg}} 変形したチャートの縞々っぷりは大変美しい。中には赤紫色を呈する部分と,灰色になっている場所とがあり,どちらが初生的なものかは,現地では判明しなかった。 {{ref_image IMGP6494.jpg}} 教材になりそうな美しい岩石をもとめて,頭上にはいつ崩壊してもおかしくないチャート露頭が広がっている。 {{ref_image IMGP6519.jpg}} !!室戸岬  高知県東部の室戸岬に位置する室戸岬は,プレートテクトニクス理論を陸上で初めて実証した四万十帯の付加体堆積物をみることができる場所として,世界ジオパークに指定されています。今回は,室戸ジオパーク内をめぐって、地殻変動によって地表に現れた昔の海底の地層を見ていく。 !室戸岬サイト {{ref_image IMG_5199.jpg}} {{ref_image IMGP6533.jpg}} ビシャゴ岩に向かう途中の御厨人窟(みくろど:弘法大師ゆかりの地)の手前には,天狗の顔に見える天狗巌と呼ばれる岩がある。 {{ref_image IMG_5207.jpg}}  「ビシャゴ岩」地層が隆起・傾斜し固い斑レイ岩の部分だけ残ったもの {{ref_image IMGP6546.jpg}} 岩にぼこぼこあいた気持ちワルイ穴は,案内板によればタフォニと呼ばれ岩石に付着した海水中の塩分が,水分が蒸発する際に結晶となって岩石を破壊して形成されるらしい。少し疑問が残る。 {{ref_image IMG_5244.jpg}} {{ref_image IMG_5249.jpg}} (上) 礫岩 中の礫はまるみをおびている   (下) 偽礫岩 礫に見えている部分は実は泥 よくタービダイト層の例として出てくる露頭を発見!! {{ref_image IMG_5260.jpg}} {{ref_image IMG_5270.jpg}} やっぱり登ったか・・・・ {{ref_image IMGP6655.jpg}} 岬の先端に立つ中岡慎太郎像の西側には,国道沿いに大規模なハンレイ岩の露頭がでており,海岸沿いには,ハンレイ岩ペグマタイトと呼ばれる,斜長石と輝石の巨大な結晶から構成されるハンレイ岩が観察された。 !日沖−丸山海岸サイト ここでは,溶岩が海底の火山活動で水中に噴出した際に,冷却して破砕された自破砕溶岩の露頭(喫茶宇宙くんの下)や,枕状溶岩となって冷却した露頭などを観察することができる。 {{ref_image IMGP6665.jpg}} 自破砕溶岩の露頭 {{ref_image IMG_5310.jpg}} 「枕状溶岩」 海嶺などで溶岩が海水に触れるとこのような形になる。 {{ref_image IMGP6683.jpg}} かなり大きな岩であるが,実はこの岩は露頭ではなく,山の上から転がってきた転石であるらしい。 !行当−黒耳海岸サイト ここでは,タービダイト層中に見られるスランプ構造や,クラスティックダイク(地震の痕跡),タービダイト層中にのこるリップルマークなどを観察することができる。 {{ref_image IMG_5328.jpg}} 「スランプ構造」 海底地すべりなどで地層の一部が折れ曲がったように堆積したもの {{ref_image IMGP6768.jpg}} 「砂岩脈」 地震が発生した際に,半固結あるいは未固結の砂層が,液状化して噴出した際の通り道が岩脈として残っているもので,周囲の地層とは年代の異なる砂が岩脈として貫入している。 {{ref_image IMG_5351.jpg}} 「リップルマーク」 水の流れによって海底の砂などがつくる模様がそのまま地層に残ったもの。タービダイト層中にリップルマークが形成されているということは,深海でも水の流れがある,ということを意味している。 {{ref_image IMG_5360.jpg}} 圧巻のながめ !!大歩危(徳島)  徳島県の大歩危(おおぼけ)にて礫質片岩の観察。ドライブイン「まんなか」にある川下り用の遊歩道を降りていく途中で,砂質片岩中に挟まれるように礫質片岩が挟在している様子を観察することができる。 {{ref_image IMG_5404.jpg}} {{ref_image IMG_5386.jpg}} 「礫質片岩」 礫が変成の圧力でつぶされている